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プロフィール

yuji0517

Author:yuji0517
氏名、野崎雄二(YUJI NOZAKI)
経歴、1947年、新潟県生まれ
 1970年、早稲田大学政治経済学部卒
 1970~1994年、住友信託銀行
 1994~2014年、住信投資顧問(現三井住友トラストアセットマネジメント
 2014年、退職
30年余にわたり、株式のファンドマネージャーを続けて来た経験から、書き残してみたいものが、多々あり、ブログを始めてみた。
<初めて、読む方に>
左下の「過去の掲載記事のテーマ一覧」で、「初めに」に、ブログの全体像を、次いで、テーマ別に、頭に、目次を付けていますので、興味あるテーマを選んで、読んでいただけたらと思います。

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ゼロ金利時代の弊害(1)

建築業者から紹介手数料         2017,4,23  

掲題のような記事が1面に載っていた。
「相続税対策を背景に拡大している賃貸アパート向けの融資で、一部の大手地銀が顧客を建築業者に紹介する見返りに手数料をとっていることが金融庁の調べで分かった。・・・請負金額の0・5~最大3%であると。・・・顧客自体から手数料をとることは違法ではないが、銀行が過度な手数料獲得に動けば、利益相反が生じる懸念が強いと、是正を促していく。」

昨今のゼロ金利時代に入ってから、銀行は、銀行業では食えなくなってきている。
私が銀行に入社した頃の貸出金利は、表面金利は7~8%、預金を考慮すると10%であった。
それが、徐々に低下し、商法(6%)・民法金利(5%)を下回り、今や、1%そこそこに迄低下している。
これでは、銀行経営が出来ない。

常識的に考えて、日本全体の金融資産が1,500兆円あるとすれば、受信・与信(貸出だけではなく運用もふくめて)・事務を合わせて、1%程度のコストはかかるのである。
その1%(15兆円)の上で、金融業界は成り立っている。金融業界とは、銀行だけでない。信金・信組、郵貯、農協・漁協や、証券、運用(投信・投資顧問)、決済・クレジット、リース・ファイナンス等々様々な業態で成り立っている。

もし、仮に、貸出金利が3%で、定期預金金利が1・5%であったなら、銀行経営は難しいものではないであろう。
利鞘収入で、経営が維持できるから、顧客本位の経営に専念出来る。
昨今の様なゼロ金利では、そうはいかない。
利鞘で経営出来ないのだから、手数料稼ぎに奔走する
・投信や生命保険の販売手数料
・M&Aや不動産等々仲介手数料
・内外為替手数料

メガバンクは、国内銀行業だけでなく、証券、運用も含めて金融コングロマリットを構成し、世界展開まで行っている。
経営のかじ取りは、難しいとしても、それなりの対応は可能である。
しかし、地銀以下の金融機関にとっては、ゼロ金利というのは、湯で蛙と同じである。
どうやって、銀行経営を維持していけば良いのは、日夜苦慮していると思われる。

銀行が手数料稼ぎを行うには、銀行の信用との背中合わせの部分がある。
アパート建築の手数料が、0・5%~3%というのはM$A,不動産と同じである。小規模なら3%、規模に従って料率が下がる。
仲介手数料に、内容が伴っておれば、あながち、高額とは言えない。
建築会社にとっては、ファイナンスの面倒を見てくれる顧客であるから、安心して仕事ができし、
個人顧客にとっては、複雑な税制の仕組みを解き明かし、且つ、信用できる建設会社を紹介してくれるなら、
お互いのメリットのある話であろう。
たかだか0.5~3%の手数料で、安心を買えるなら、おかしくは無い。

日銀は、ゼロ金利で、地銀に多大な迷惑をかけている。
金融庁は、金融行政の一環として、建築手数料について、単なる規制ではなく、透明なルール作成に動くべきではないかと思っている。
それは、
1、建築手数料をオープンにし、
2、その手数料の見合いとして、建築会社に対する仲介銀行としての義務要件、及び、個人顧客に対する銀行としての義務要件を明示することではないかと思われる。

かつて、バブルの時代には、銀行は、個人の土地保有者に貸し込みを行い、環境が変わったら、貸し剥がしに動いた、エゲツない前科がある。
「建築手数料をとるな・・貸出責任を回避し、回収は勝手」
と言う世界よりも、
「建築手数料は取っても良い・・・その代わり、銀行も相応の責任を負う」
「建築会社に手抜きをさせない」
「個人顧客に対し、本件プロジェクトの合理的メリットを明示し、資料として残させる。」
と言う方向に行くのが、健全ではないかと思われる。

相続対策用の賃貸住宅が過熱気味であるとも聞く。
一方、築50年以上の、古くて、耐震性に欠け、住むに不便な住宅も多い。
今後も、良質な賃貸住宅の供給は、必要である。
それなら、単に、止めさせる方向よりは、もっと、望ましい方向に、誘導していくべきではないかと思われる。


(追記)、森友学園問題では、財務省が、「土地売買価格を大幅に値引きした資料は破棄しました」といっていたが、それとは別の世界が、本来あるべき方向なのではないかと思われる。
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