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yuji0517

Author:yuji0517
氏名、野崎雄二(YUJI NOZAKI)
経歴、1947年、新潟県生まれ
 1970年、早稲田大学政治経済学部卒
 1970~1994年、住友信託銀行
 1994~2014年、住信投資顧問(現三井住友トラストアセットマネジメント
 2014年、退職
30年余にわたり、株式のファンドマネージャーを続けて来た経験から、書き残してみたいものが、多々あり、ブログを始めてみた。
<初めて、読む方に>
左下の「過去の掲載記事のテーマ一覧」で、「初めに」に、ブログの全体像を、次いで、テーマ別に、頭に、目次を付けていますので、興味あるテーマを選んで、読んでいただけたらと思います。

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投信の今昔  大章「ノルマとの戦い」(続々)

野村証券―第2事業法人部―          2017、5,7

たまたま、今日の日経1面に
「投資不振 迷うマネー」「金融庁が批判 「毎月分配」自粛」「14年ぶり資金流出」とあった。
この記事にに関するコメントは、後述するとして、
横尾氏が本書に書いている1970年代から80年代初めにかけての投信はどんなものであったか書いて見る。

横尾氏は、次のように書いている。
「悪役の代名詞「ファミリーファンド」
ファミリーファンドのコミッションは額面1万円に対して500円で、1万円分を購入した顧客は1万500円を払い込むが、当時はかった瞬間に9500円前後まで値下がりする最悪の投信として有名で、新聞を読んで実情を知っているような人には買ってもらえない代物だった。
当時の証券会社にとってファミリーファンドは、自己勘定による売買で抱えた「しこり玉」を投げる「最後のゴミ捨て場」に過ぎなかった。・・・・」

当時の株式市場は、多少の上下はあっても、年間1割程度は上昇していた。ところが、5年間で日経平均が2倍になっても、ファミリーファンドのマザーファンドは、横ばいから、時には、下落していた。
筆者の書いている通り、証券会社のゴミ箱として使われていたからである。
それと、もう一つ問題もあった。前日の基準価格で、売買されていたから、当日ザラ場で売買の状況は反映されておらず、また、株価が下落していると、前日の価格での解約が相次ぎ、その解約差額分まで、継続保有者と新規購入者の負担となる。
その結果、横尾氏が言っているように、購入したその日から損を抱え込むことになる。
5%の手数料も高ければ(当時でも、千三つと言われた、不動産の仲介手数料は、3%であった。)、よく、販売できたモノである。
多分、当時日経平均は上昇していたが、まだ、インデックスファンドもなかった時代であるから、(ゴミ箱と言う)運用の実情を伏せて、(株式市場を代表する日経225は上昇していると言う)錯覚を利用して、販売していたのであろう。

その後の1980年代後半には、「ファミリーファンド」は廃れ、代わりに、「テーマ型投信」がはやった。バブルの時代なので、投信の基準価格もそれなりに上昇した。しかし、基準価格が上昇すると、すかさず、証券マンは売りを奨め、新しい投信に乗り換えさせた。仕組みとしては、解約者有利、継続者不利の仕組みは残っていたし、証券会社には、格好の回転売買による手数料稼ぎの場となった。
この時代でも、投信の運用と証券会社の営業は、一体であった。
私の証券会社の知人が、投信会社の株式ファンドマネージャーに異動した。
その時のことであるが、NTT株は、上場後も上昇を続け、確か売り出し価格が130万円位で、300万円位迄上昇と思うが、彼氏は、300万円でもう天井と思い、全株売却した。それが天井であった。
ところが、彼氏は上司から、運用能力を評価されるどころか、叱責を受けた。本社営業が推奨しているのに、売却するとは何事か、と。
彼氏は、ほどなく、転勤させられた。そんな時代だった。

1990年代は、バブル崩壊と共に、証券も銀行も低迷が続いた。そして、金融危機を経て、90年代末に、銀行の投信参入が開始され、新しい時代に入った。

今朝の日経新聞の記事は、2000年代の投信の資金流出入状況をグラフにして書いている。
その上で、現代の投信について、次の問題点を指摘している。
・毎月分配投信
・公募投信の数・・6000本

現代の投信にも、数々の問題点があることは、確かである。
しかし、30年前の投信と比べると、大きな違いがある。
私は、数年前に、大型グロース型ファンド(著名な数十本)の10年間の運用実績を調べたことがある。
その結果、運用フィーが高いにもかかわらず、その期間のTOPIX型インデックスファンドを凌駕し、日経225型インデックスファンドとほぼ同じパーフォーマンスであった。
現在の投信は、証券会社の「シコリ玉」のゴミ箱でもなければ、2000年頃に解約有利・継続不利の仕組みも撤廃されたお陰であろう。
同じ「投信」と言う用語をつかってはいるが、今の投信は、昔のような詐欺商品とは違うものだとは言えそうに思う。(注、中には、何これ、と思われるものもないではないが。)

但し、依然として、投信への不信感はまだ残っていると思われる。
・日経記事のグラフでは、上場投資信託(ETF)が、記入されてない。合算すれば、「14年ぶり資金流出」とあるが、プラスではなかろうか?(調べてないので、何とも言い難いが。)
・「毎月分配」が流行ったのは、長期に預けることへの不安があるからである。そこまでは、銀行も証券会社も運用会社も信用など出来ない。相場は大きく変動するとなれば、その天井での売り時を誰も指示してくれる訳ではない。
往々にして、高値で強気、安値で弱気が人の常である。それなら、最初から、ドル平均法の売りが組み込まれている、分配型投信が、安全なような気がするのは当然かと思われる。

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