FC2ブログ

プロフィール

yuji0517

Author:yuji0517
氏名、野崎雄二(YUJI NOZAKI)
経歴、1947年、新潟県生まれ
 1970年、早稲田大学政治経済学部卒
 1970~1994年、住友信託銀行
 1994~2014年、住信投資顧問(現三井住友トラストアセットマネジメント
 2014年、退職
30年余にわたり、株式のファンドマネージャーを続けて来た経験から、書き残してみたいものが、多々あり、ブログを始めてみた。
<初めて、読む方に>
左下の「過去の掲載記事のテーマ一覧」で、「初めに」に、ブログの全体像を、次いで、テーマ別に、頭に、目次を付けていますので、興味あるテーマを選んで、読んでいただけたらと思います。

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

アクセス数

過去の掲載記事のテーマ一覧

論文集

過去に記述した論文を、整理再編集したものと、新たに、書き下ろした論文集

RSSリンクの表示

リンク

東電に原発運転再開の資格はない。

福島原発事故とエネルギー問題      2017、9、7

日経の9月6日夕刊、7日朝刊と2日続けて、東京電力、柏崎刈羽原発の再稼働の記事が載った。
夕刊は、
「原子力規制委員会は6日午前、東京電力に柏崎刈羽原子力発電所6、7号機を運転再顔させる資格をあたえるかどうか議論した。
焦点となっていた東電の信頼性について、福島第一原発の反省を教訓に安全意識の向上がみられると一定の評価をした。
田中俊一委員長は、「今日の議論を整理した上で、更に議論をしてに最終判断をしたい」と述べ、13日の定例会合では、合格が内定する可能性がある。
見出しは、<東電の適格性「否定せず」>である。

翌日の朝刊は、長文になっており、見出しも変わっている。
<再稼働 東電に一定の評価>
<「規制委、柏崎刈羽13日にも「合格」、安全性確保など条件>
とニュアンスが違っている。
・伴信彦委員は「事故と言う大きな失敗体験が役立っている」と評価した。
・規制委で了承されれば、沸騰水型で初の合格となり、各社は審査が加速する事を期待する。
・経済産業省は、エネルギー安全保障上からも、再稼働が進むことを望んでいる。
同じ情報源であるにも関わらず、夕刊と朝刊で、書き方が大きく変わっている。審議中から、運転再開への道順の一つ、と。

東電柏崎刈羽原発再稼働問題には、大きな問題点が二つある。
一つは、福島第1原発事故の検証は、全く進んでおらず、未だ放射能が漏れ続け、終息の目途が立っていないことである。
今一つは、原発事故を起こした東電に、再稼働の資格があるか否かである。

「検証が全く進んでいない」と書いたが、ほぼ、推測されている。
ただ、「検証をやろうとしていない」と言うことなのである。
既に、判明していること述べてみる。
1、1号機は、津波以前に、地震で、既に放射能漏れを起こしていた。だから、直下型の大規模地震に遭遇したら、どんな原発でも、放射能漏れや暴走を起こすリスクはある。・・・これは、すべての原発で言えることであり、それに、備えた対策が必要である。
2、沸騰水型は、格納容器が小さいので、短時間で、高圧になるので、対処が難しい。
・・・沸騰水型より、加圧水型の方が、シビアアクシデント対策をおこなうに、相対的に、時間的余裕がある。
3、福島第1の1~3号機は、格納容器が高圧になったら、ベントできなかった。・・・沸騰水型は、欠陥機種であることが、判明した。(柏崎刈羽6・7号機は、高圧化でも、ベントできるように、改造したとの話であるが)
4、福島第1の1~3号機は、圧力容器の配水管が、下部に装着されており、地震で配管割れが起き、燃料棒の損傷がおこると、事故後、後から注水を行っても、燃料棒が水没しない設計であった。・・・沸騰水型のマーク1はすべて、この形であり、欠陥機種である。
同じ沸騰水型でも、Jパワーの青森原発は、ABWR型で、圧力容器の上部からの給排水の仕組みとなっており、この面では、改善している。ただ、同原発は、ほとんど完成に近いが、稼働していない。柏崎刈羽が、このABWR方式であるが、配管システムが、上部構造になっているか否かは、不明である。
5、福島第1の1~3号機は、燃料棒が、圧力容器の下部からの挿入方式であるため、圧力容器の底から、メルトスルーした。その結果、圧力容器下部、途中の金網、下部と3か所の散らばってしまい、修復作業の困難さを増幅させて入る。・・・、燃料棒が、上部から挿入する、加圧水型の方が、相対的にリスクが小さい。沸騰水型で、メルトスルーを想定するなら、受け皿を用意する必要があるが、東電は、何らの案を用意していない。

伴信彦委員は、「事故と言う大きな失敗体験が役にたっている」と言っているが、「検証と対策」を頬かむりしたままで、役に立っているなどと言えるのであろうか。

二つめの、「東電に再稼働の資格があるか」と言う問題である。
福島原発事故は、人災である。
東京電力の経営陣は、津波のリスクを指摘された時に、「安全対策を行うことは、それ自体、原子力発電の安全性が疑われることになる」として、非常用電源を、原子力発電所地下に設置したままにして置き、それが、被害を大幅に拡大させた。
故意、乃至は未必の故意による原発事故だったのである。

原発事故が起きてからの行動はどうであったか。
メルトダウンが起きているのに、長期にわたって隠蔽し、かつ、その謝罪は、5年後であった。
東電自らが、安全対策をとったという話は、寡聞にして、聞かない。免振重要棟にしても、フィルター付きベントシステムにしても、泉田元知事に言われての話である。

それよりも、
・福島第1では、未だ放射能を出し続けており、終息の目途は、全く立っていない。
・福島原発事故の刑事裁判は、今年7月始まった7ばかりである。
こんな状況の中で、東京電力に運転再開の資格など言えた話ではない。
まるで、刑事被告人に、刑期終了後の社会復帰の議論をしようかと言うような話である。

沸騰水で、マークワン方式が、欠陥機種であったことは、ほぼ判明している。福島第2や柏崎1~5号機は、早急に、廃炉とすべきであろう。
また、同じ沸騰水型でも、ABWRは、改良機種である。
もし、ABWRで、運転再開を目指す7なら、まだ、稼働してないが、ほとんど完成している中国電力の3号機やJパワーで、再稼働を目指すべきであろう。まだ、放射能にさらされていないから、福島原発の検証が役にたち、各種の改良もできる。
事故を起こした当事者の東京電力の案件を、ABWRの先頭にしての運転再開とは、話がおかしすぎる。
事故のことは忘れて、どんな原発でも運転を再開させようとしているようにしか見えない。
スポンサーサイト

<< 政治家の下半身と山尾志桜里問題 | ホーム | キューバ考 >>


コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 ホーム