プロフィール

yuji0517

Author:yuji0517
氏名、野崎雄二(YUJI NOZAKI)
経歴、1947年、新潟県生まれ
 1970年、早稲田大学政治経済学部卒
 1970~1994年、住友信託銀行
 1994~2014年、住信投資顧問(現三井住友トラストアセットマネジメント
 2014年、退職
30年余にわたり、株式のファンドマネージャーを続けて来た経験から、書き残してみたいものが、多々あり、ブログを始めてみた。
<初めて、読む方に>
左下の「過去の掲載記事のテーマ一覧」で、「初めに」に、ブログの全体像を、次いで、テーマ別に、頭に、目次を付けていますので、興味あるテーマを選んで、読んでいただけたらと思います。

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AI(11) AIと半沢直樹

与信リスクはAIで判断できるか?   2017、5、27

今まで、新井紀子氏の「AI vs 教科書をよめない子供たち」を引用してきた。
しかし、その中で、いささか気になる記述があるので紹介する。
新井氏は、世間を知らず、というか、学生の延長、試験管の世界のような側面がある。

「AIが仕事を奪う」という項がある。少し長いが、書いてみる。
TBSが2013年に放送された「半沢直樹」をみて、
半沢直樹はローンフィサーです。
その仕事は、取引相手の返済能力の信用度を審査することで、半沢直樹は、「計算の確率的な妥当性」とが問われる仕事だと言える。
これは、ビッグデータによる機械学習ができるようになったAIの得意分野である。
「数年後には半沢直樹はいなくなる」と講演したら、講演会場は笑いに包まれた。
しかし、10年後から20年後に「なくなる仕事」のトップ25に融資担当者が大7位でランクインしている。
現在日本には、100を超える銀行があり、AIに勝る与信審査のできる銀行は、いったいいくつ存在するか。

銀行の与信業務は、AIで代替できるほど単純なものでない。
貸出金利=調達金利+与信リスク+審査手数料
となるが、与信リスクを抜き出し、定量情報と定性情報をデータ化する話である。
そんなことは、50年も前から議論されていたことである

問題点を2つ程上げる。
与信リスクの問題点1
バブル時代から、2000年ころにかけ、サラ金が脚光を浴びた。
プロミス、アコム、武富士等である。
彼らは、与信リスクをデータ化し、与信判断を行っていた。AIの先駆である。
そして、与信リスクの最も少ない貸出先は、何処であったか。それが、
入社したての若いOL
夫の職業が堅実な専業主婦
である。
当然、無担保、無保証、際限なく(と言っても、1社当たり2~3百万円である)、
高金利(20以上~30数%)で、貸し出した。
彼女たちは、多重債務者となった。
それでも、焦げ付きは出なかった。
何故なら、多重債務者となった娘、妻に気が付き、親や夫が、世間に気が付かれないように、代位弁済したからである。
最も高収益な貸出先、すなわち、カモであった。
こんな貸し出しが、世の中に罷り通ったら、正常な世の中といえるであろうか。
結果、最高裁は、不当利得として、返還を命じた。

与信リスクの問題点2
米国で、与信リスクだけを抜き出し、証券化し、売り出す。
後はしらない。そこに、詐欺が横行した。
サブプライムローン問題の発生であり、それが、リーマンショックによる世界恐慌の引き金となった。

与信リスクは、数値化したところで、所詮、判断材料の一つに過ぎない。
貸出の審査業務と言うのは、その先の、「極めて、常識的な判断ができるか否か」と言うことである。
新井氏は、数値化ができそう、というだけで、AIの対象として、与信審査をとりあげたようではあるが、その先の世界を理解できなかった(或いは、知る機会がなかった)ように思われる。
だから、半沢直樹のテレビドラマを、表層的にしか捉えられず、「半沢直樹はいなくなる」と書いたのであろう。


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